小説が充実している聴く本、アマゾン・オーディブル(audible)
でも、何を聴けばよいか迷う・・・という方が多いのではないでしょうか?
ここでは、実際に聴いた本の中から、おすすめの小説を紹介します。
目次
おすすめの小説
エンタメ小説11選
777 トリプルセブン(伊坂 幸太郎)
あらすじ
前作『マリアビートル』に出てきた不運な殺し屋・七尾
今回は超高級ホテルから出られなくなって、厄介事に巻き込まれる。
果たして、七尾は無事でホテルを出られるのか・・・。
聴きどころ
殺し屋シリーズ最新刊。
ハラハラする展開に手に汗、握ります。
映画化できそうなアクションストーリーになっています。
木挽町のあだ討ち
あらすじ
ある雪の降る夜に芝居小屋の近くで、美しい若武者・菊之助による仇討ちが成し遂げられます。
芝居小屋で働く5人によって、あだ討ちの模様が語られます。
果たして、その真相は・・・。
聴きどころ
2023年直木賞受賞作品。
あだ討ちを果そうとする若武者をとりまく人々の人情もの。
一流声優さん達の競演が素晴らしく、引き込まれます。
同志少女よ、敵を撃て(逢坂 冬馬)
あらすじ
独ソ戦が激化する1942年、少女セラフィマの暮らす農村で、急襲したドイツ軍によって母親や村人たちが惨殺されます。
射殺される寸前にソ連軍の女性兵士イリーナに救われたセラフィマ。
セラティマは、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意するのでした。
聴きどころ
ロシアのウクライナ侵攻と重なってしまいます。
少女が成長していく過程と、戦争の現実が描かれます。
長編ながら、一気に聴かせてしまう筆力を持つ傑作。
ペッパーズゴースト(伊坂幸太郎)
あらすじ
中途半端に将来が見える中学校の国語教師・檀(だん)。
生徒の校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていきます。
聴きどころ
伊坂幸太郎作品の特徴とも言える、あちこちに張り巡らされた伏せんが、パズルがはまっていくように回収されていきます。
登場人物のキャラがたっていて、会話が掛け合いのようにクスっと笑える。
読後感も爽やか。
マリアビートル(伊坂幸太郎)
あらすじ
狡猾な中学生「王子」に子供を傷つけられた、アル中の元殺し屋・木村。
復讐のために東北新幹線に乗り込んだ木村。
新幹線には、腕利きの殺し屋二人組や、運の悪い殺し屋が乗っていて・・・。
聴きどころ
ブラッド・ピット主演の映画、『ブレットトレイン』の原作。
スピード感のあるストーリーも、キャラの立った登場人物の掛け合いも面白い。
流浪の月( 凪良 ゆう)
あらすじ
居場所のない9歳の少女と、先天性の病気に苦悩する青年が共に過ごした2ヶ月。
しかし、青年は少女誘拐の罪で警察に捕まります。
そして、15年後の再開。
2人の物語が始まります。
聴きどころ
2020年度本屋大賞作品。
心理描写が卓越していて、ぐいぐいと引っ張っていかれました。
最初はニガテな設定の作品かなーと聴くのを迷いましたが、オモシロかった。
女性におすすめ。
先祖探偵( 新川 帆立)
あらすじ
東京・谷中銀座の路地裏で、先祖を探す探偵事務所を開いている風子(ふうこ)。
依頼人は、自分のルーツを探したい人、子供の問題行動に悩む家族、無戸籍の人など様々。
風子は生き別れた自分の母親を探しながら、依頼人の問題を解決していきます。
聴きどころ
ライトミステリ、人間ドラマ、民族学、社会問題などいろいろな要素を盛り込みながら、軽めの筆致で聴きやすい。
短編集ですが、話が進んでいくにつれて、面白さが増していきます。
少年と犬( 馳 星周)
あらすじ
東日本大震災で飼い主を失った犬。
その犬はいつも南の方角を向いているのです。
そして、犬の旅が始まります。
聴きどころ
2020年度直木賞受賞短編連作作品。
問題を抱える人間達が、旅する犬と出会うことでひとときの心の安らぎを得ます。
しかし、どの短編も「えっ!」と驚きで終わるラスト。
動物を題材とした小説でも、馳星周さん独特の裏社会テイストが横たわっているなあと感じた作品。
国宝・上 青春篇 下 花道篇(吉田修一)
あらすじ
極道の家に生まれた立花喜久雄。
美貌と芸の才能に恵まれた喜久雄は、自身をとりまく環境に翻弄されながら、歌舞伎の世界に踏み出していきます。
彼の人生の先に待ち受けるものは?
聴きどころ
尾上菊之助さんの情感こもった朗読を超える声の熱演に引き込まれます。
映画を見ている感覚。
家柄が出世に大きく左右される歌舞伎界において、喜久雄と周辺の人々の人生がどうなっていくのか。
見た目の再生時間の長さに驚きますが、実際の収録時間は半分です。
正欲(朝井リョウ)
あらすじ
息子が不登校になった検事、恋する女子大生、秘密を抱える会社員。
人とのつながりに苦悩し、葛藤しながら日々を生きる。
普通とはいったい何なのか・・・・。
聴きどころ
自分は「多様性を認める」寛容な人間。その傲慢さと偽善を突きつける作品。
マイノリティ側の価値観に共感できない人もいると思うので、読む人を選ぶかも・・・
アキラとあきら(池井戸潤)
あらすじ
零細企業の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社・東海郵船の御曹司・階堂彬(あきら)。
紆余曲折を経て、借金で倒産しかかった東海郵船の社長になった階堂彬。
銀行員となった山崎瑛は、東海郵船を救うことができるのか?
聴きどころ
アキラとあきらはドラマ化、映画化される作品。
池井戸小説らしく、「敵」が明確で、スカッとしつつ物語が進みます。
銀行と企業の駆け引きなどワクワクしながら、一気聴きできます。
ほっこり気持ちが温まる小説6選
ツバキ文具店(小川糸)
あらすじ
鎌倉で文具店と手紙の代書を請け負う鳩子。
友人への絶縁状、亡き夫から妻へ宛てた手紙など、風変わりな依頼が舞い込んで・・・。
聴きどころ
古都鎌倉の春夏秋冬の中で、日常の生活、年中行事、食べ物、ご近所さんや代筆依頼者との心温まるやりとりが綴られます。
テレビドラマ化、映画化もされた作品。
女性におすすめ。
スピノザの診察室(夏川草介)
あらすじ
雄町哲郎は京都の地域病院で働く内科医。
かつては大学病院で難手術を成功させる名医だったが、現在は大学病院を退職している。
ひと癖ある同僚医師とともに、患者と家族に寄り添う静かで温かな物語。
2024年度、本屋大賞4位。
聴きどころ
高齢患者の人生の終焉を見守る哲郎の姿勢が心地よい。
哲郎の非凡な技量も見せつつ、穏やかな人間性で物語に引き込んでいきます。
墨のゆらめき(三浦しをん)
あらすじ
ホテルマン、続力(つづき・ちから)と、書道教室を営む遠田薫(とおだ・かおる)。
薫は過去にやくざとかかわりあいがあった男だが、さまざまな筆跡を自在に書きこなす腕前の持ち主。
まじめな力は、奔放な薫に振り回されながら顧客から依頼のあった手紙の代筆業を手伝うことに。
二人の交流が始まります。
聴きどころ
人気作家・三浦しをんさんの心温まる作品。
声優・ 櫻井 孝宏さんのナレーションが上手すぎて、引き込まれます。
書道家の世界も楽しめます。
線は、僕を描く( 砥上 裕將)
あらすじ
両親を交通事故で失い、喪失感にさいなまれる大学生の青山霜介。
ある日、水墨画の巨匠・篠田湖山と出会い、水墨画の世界に魅せられていきます。
湖山の孫・千瑛と切磋琢磨する霜介。
次第に生きる力を取り戻していくのでした。
聴きどころ
なじみのない水墨画に興味が沸く内容。
静かな世界の描写は心が落ち着きます。
日本橋牡丹堂 菓子ばなし(中島久枝)
あらすじ
江戸の菓子に魅せられた小萩は、日本橋の菓子屋・牡丹堂で働き始めます。
牡丹堂はが小店ながら、大店にもひけを取らぬ味の店。
仕事に恋に、一生懸命に生きる少女と周りの人々を描く、温かい江戸人情小説です。
聴きどころ
シリーズものの1作目。
やさしい人々と小萩が頑張る姿が微笑ましく、短編集なこともあって気軽に聴けます。
女性におすすめ。
夏の体温(瀬尾まいこ)
あらすじ
瑛介は低血小板数値で1ヶ月以上入院している小学3年生。
入院生活にあきあきする毎日。
ある日、同じ小学3年生で低身長の壮太が検査入院。
彼らの短い夏が始まります。
聴きどころ
3つの短編小説。
悪意を持った人が出てこない瀬尾さんの作品はどれもほっこり。
2話目の「魅惑の悪人ファイル」が新鮮。
ミステリー・サスペンス20選
暗殺(柴田哲孝)
あらすじ
最長政権を築いた元総理が殺された。
犯人はその場で逮捕された。
しかし、本当に彼は単独犯だったのか。
聴きどころ
現実の犯行をモチーフにしたフィクション。
単純に見せた凶行には、実は裏があるかも・・・と興味深く読ませる作品。
雨に消えた向日葵(吉川英梨)
あらすじ
小五女子が失踪し、県警の奈良は捜査に入る。
情報は集まるも少女は見つからない。
少女の生死はいかに。
聴きどころ
派手な謎解きはなく、地道に行なわれる捜査。
にもかかわらず、読者を惹き付ける面白さ。
読後感も爽やか。
方舟(夕木春央)
あらすじ
山奥の地下建築に大学時代の友達と一緒に閉じ込められた柊一。
地震が起こり、地下建築が一週間で水没する事態の中、殺人が発生。
彼らは無事に生還できるのか。
聴きどころ
誰かが一人残れば残りは助かる。
そんな状況下で起こる殺人事件。
ラストは「えっ」と驚かされることうけあい。
可燃物(米澤 穂信)
あらすじ
群馬県警が舞台の推理小説。
上司にも部下にも煙たがられながら、捜査能力は卓越している葛(かつら)警部が5つの事件を捜査。
意外なトリックや、動機、真相を暴きます。
聴きどころ
2023年ミステリーランキング3冠達成の作品。
張りめぐらされた伏線の真相を推理する5つの本格短編集。
「3冠」の文言を過度に期待しなければ、気軽に十分に楽しめます。
法定遊戯(五十嵐 律人)
あらすじ
養護施設で育ち、法律家を目指す学生・久我清義と織本美鈴。
何者かによって、二人の非行歴を知る嫌がらせが始まります。
復讐劇の幕が開けられたその時、思わぬ殺人事件が。
聴きどころ
作者がネタバレするので、途中から話が読める展開に。
それなのに、思わぬ方向への急展開に目が離せません。
2023年に映画化もされる作品。
爆弾(呉勝浩)
あらすじ
些細な傷害事件で東京・野方署に連行された中年男。
しかし、男は秋葉原で爆弾事件が起こることを刑事に告げる。
男の爆弾計画と刑事達の攻防が始まる。
聴きどころ
次々に起こる爆弾爆発。
頭脳派の犯人と刑事達の駆け引きが見もの。
ジェットコースターのようなスピードで突き進むエンタメミステリー。
焔と雪 京都探偵物語(伊吹亜門)
あらすじ
探偵・鯉城(りじょう)は、元警察官。
共同経営者で体の弱い露木は、伯爵の妾腹で複雑な生い立ちを持つ。
大正時代の京都を舞台に、二人が謎を解く安楽椅子探偵モノの連作集。
聴きどころ
安楽椅子探偵の露木が謎を解いて鯉城に語るが、真実は語らなかったりもする。
もやもやとしながら、情景描写と心理描写のうまさに聴き進まずにはいられない作品。
ミレニアム(スティーグ・ラーソン)
あらすじ
月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルと、複雑な過去を持つ女性調査員リスベット。
孤島で起きた富豪の親族である少女失踪事件に挑む。
聴きどころ
スウェーデンの作家による映画化もされた世界的ベストセラー。
ミステリーもアクションもハラハラドキドキの一流エンターテインメント。
原作を読んでいても、オーディブルで聴くとまた違った良さがあります。
贖罪の奏鳴曲(中山千里)
あらすじ
弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。
警察は、御子柴にたどりつき事情を聴く。
だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」が・・・。
聴きどころ
暗い過去を持つ御子柴礼司のダークぶりと、法廷でのどんでん返しが絶妙のシリーズ。
事件の依頼人や検事、裁判官との駆け引きも見逃せない。
息をつかせぬ法廷ミステリーにハマります。
覇王の轍(相場 英雄)
あらすじ
警察キャリアの樫山順子は、北海道警捜査二課長に赴任。
国交省技官の転落事故と道内の病院を舞台とした贈収賄事件を並行して捜査することになります。
両事件の背景に、鉄道行政の闇を広がっていることを突き止めていきます。
聴きどころ
国交省技官の転落事故と贈収賄事件のつながりが気になって、ドンドン聴きたくなります。
面白かったけれど、ラストは賛否あるかも。
十字架のカルテ(知念 実希人)
あらすじ
光陵医科大学附属病院の新人医師・弓削凜(ゆげりん)は精神鑑定医を目指し、精神鑑定の第一人者、影山司に弟子入りします。
凜は統合失調症、詐病(さびょう)、解離性同一性障害など、様々な事件の容疑者たちの心の闇に迫りつつ、景山と事件を解明していきます。
聴きどころ
精神に病を抱える容疑者と精神科医の謎とき。
短編集で聴きやすく、興味深いながらも重めの題材をミステリー仕様で読ませます。
ガラスの塔の殺人(知念 実希人)
あらすじ
硝子の塔に、刑事、霊能力者、小説家、名探偵などが招かれる。
招待したのは、ミステリマニアの大富豪。
雪に閉ざされたこの館で次々と惨劇が起こる。
聴きどころ
怪しげな招待者とお約束の閉ざされた館。
空気を読まない探偵の普通のミステリーかと思いきや、どんでん返しが。
犯人に告ぐ1~3(雫井脩介)
あらすじ
川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まります。
神奈川県警は、現役捜査官をテレビニュースに出演させて捜査に臨みます。
史上初の劇場型捜査の行方はいかに。
聴きどころ
オーディブルにドンピシャな警察モノ。
犯人を追い詰めていく過程に引き込まれて、ドンドン聴きたくなります。
密告はうたう(伊兼 源太郎)
あらすじ
警察職員の不正を取り締まる、警視庁人事一課監察係に所属する佐良(さら)。
捜査一課所属時の元同僚で、現在は運転免許場に勤務する皆口の監察を命じられた。
佐良は、皆口の尾行を始めるが、やがて未解決事件と接点が浮かび上がって・・・。
聴きどころ
監察を舞台にした警察モノという設定も面白い。
警察内部の裏切り者が誰なのか、最後まで惹きつけます。
六人の嘘つきな大学生(朝倉秋生)
あらすじ
IT企業「スピラリンクス」で1人の新卒採用枠で最終選考に残った大学生6人。
内定を決める議論が進む中、六通の個人名が書かれた封筒。
空けると「●●は人殺し」という告発文が入っていた。
聴きどころ
話が二転三転して、続きが気になり最後まで引っ張ります。
一風変わったミステリにうならされること確実。
黒牢城(米澤 穂信)
あらすじ
織田信長に謀反を起こし、有岡城に立てこもった荒木村重。そんな有岡城で次々と起きる難事件。
家臣の動揺を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くよう求めます。
聴きどころ
2022年直木賞受賞作品。
荒木村重が有岡城に立てこもり、黒田官兵衛を囚人にした史実と、城内で起こるフィクションのミステリーの組み合わせ。
連作集で聞きやすく楽しめる作品。
カササギ殺人事件(アンソニー・ホロヴィッツ)
あらすじ
イギリス・サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦が不審な死を遂げます。
余命わずかの名探偵・アティカス・ピュントが捜査を始めます。
聴きどころ
アガサ・クリスティを彷彿とさせる推理小説かと思いきや、結末は・・・。
下巻で起こる、もう一つの殺人。
「えっ」と思わせる斬新なミステリー小説。
カラスの親指(道尾秀介)
あらすじ
詐欺を働きつつ共同生活する2人の男。
そこに少女と姉、彼氏も加わって5人の生活が始まります。
闇金組織に人生を狂わされた5人が、復讐を企てるのでした。
聴きどころ
テンポよく進んでゆく小気味よい物語。
えーっと思わず声が出るラストのどんでん返し。
映画化もされた、肩肘張らずに気軽に聴ける小説。
天久鷹央の推理カルテ(知念 実希人)
あらすじ
天医会総合病院・統括診断部部長の女医・天久鷹央先生。
頭脳明晰な彼女の診療室には、各課で診断困難となった患者が送られます。
摩訶不思議な「事件」に隠れる思いもよらぬ「病」を解き明かされます。
聴きどころ
事件の解明に病気がからむ医療ミステリー。
ラノベ的な設定ながら、大人も十分楽しめる謎解き。
ジョーカーゲーム(柳広志)
あらすじ
陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校「D機関」。
精鋭スパイ達が、緊迫の諜報戦を繰り広げます。
聴きどころ
日本推理作家協会賞に輝いたスパイミステリ。
カッコよくて、短編集で聴きやすい。
D機関シリーズものとして、「ダブル・ジョーカー」「パラダイス・ロスト」「ラスト・ワルツ」もあり。
ライトホラー×ミステリー3選
ゴーストハント(小野不由美)
あらすじ
麻衣(まい)の高校にある旧校舎に起こる祟り。
校長から依頼を受けて高校に呼ばれた霊能者5人。
校舎に幽霊はいるのか?
聴きどころ
登場人物のキャラ立ちまくりで魅力炸裂。
ライトホラーとミステリーのミックスで、飽きさせないストーリー展開。
ナレータも絶妙で、7巻までの一気聴き間違いなし。
花菱夫妻の退魔帖(白川紺子)
あらすじ
大正9年の東京で、侯爵令嬢の瀧川鈴子は、花菱孝冬という青年に出会う。
彼は十二単をまとう謎の霊を使い、悪霊を「食わせた」のだった。
孝冬に求婚された鈴子は、怪異に立ち向かうのだが・・・。
聴きどころ
行動力と強い意志を持って突き進む侯爵令嬢の鈴子が小気味よい。
引き込まれるストーリーで、聴き始めたら止められない。
悪霊や幽霊が問題を引き起こすが、怖さはないライトホラー。
京都くれなゐ荘奇譚(白川紺子)
あらすじ
「二十歳までは生きられない」――という呪いをかけられてしまった長野の女子高生・澪(みお)。
京都に旅行に出た澪は、高校生の高良(たから)に出会う。
澪は、自分にかけられた呪いを解くために、京都に移り住むことにするのだが・・・。
聴きどころ
古代中国まで遡るビッグな世界観。
男性の登場人物がやたらイケメンなのはご愛嬌。
切ない恋愛要素も魅力。
爽やかな青春小説3選
八月の御所グラウンド(万城目学)
あらすじ
早朝の御所グラウンドで、たまひで杯に参加する羽目になった京都の大学生。
参加するはずのメンバーが来れなくなった時に現れたのは、伝説の名投手。
2024年度、直木賞受賞作。
聴きどころ
ファンタジーと現実世界をミックスする万城目ワールド。
今回は笑えて、切ない2編の作品。
風の向こうへ駆け抜けろ(古内一絵)
あらすじ
芦原瑞穂は地方競馬界にデビューした女性騎手。
だが、彼女が所属したのは、まともに走れる馬がいない弱小厩舎。
しかし、訳アリの恐ろしい形相をした1頭の馬に出会ったことが運命を変える。
聴きどころ
偏見、セクハラ、虐待、資金不足と問題を抱える競馬界。
それでも負けずに頑張る主人公と支える仲間、馬達にホロリ。
熱い声援を送りたくなります。
鴨川ホルモー(万城目学)
あらすじ
京都大学に入学した安部君が、早良さんに一目ぼれして、ホルモーなる競技を行なうサークルに入部。
果たして、ホルモーって何なのか。
阿部君の恋の行方はいかに。
聴きどころ
映画化もされた万城目学の代表作の一つ。
京都を舞台に、ヘンテコな競技と友情と恋に日々悩む大学生の青春小説。
くだらなくも爽やかな後味が残ります。
四畳半タイムマシンブルース(森見 登美彦)
あらすじ
京都の下鴨幽水荘という安アパートに住む大学生達の前に出現したタイムマシーン。
彼らは、水没したクーラーのリモコンをなかったことにするため奮闘。
でも、それは未来を変えるのか?
聴きどころ
7人の登場人物が魅力的。
コメディタッチのストーリーに、言葉のセンスが光ります。
楽しげな大学生達がうらやましく、爽快感あります。
胸が熱くなる小説2選
ピアノマン『BLUE GIANT』(南波 永人)
あらすじ
大人気漫画『BLUE GIANT』の登場人物、沢辺雪祈の青春小説。
子供の頃から天才ピアノ少年だった雪折は、次第にジャズの魅力に取り憑かれます。
そして、運命の仲間たちと出逢い、日本一のジャズクラブ「ソーブルー」での公演を目指すのですが・・・。
聴きどころ
大人気漫画『BLUE GIANT』のもうひとつの物語。
小説からジャズの音が響きます。
真摯にピアノに向き合い、葛藤し、成長する雪折に胸が熱くなります。
プロジェクト・ヘイルメアリー(アンディ・ウィアー)
あらすじ
地球上の全生命の滅亡まで30年。
科学者のグレースは、地球を救う使命を帯び、宇宙船ヘイルメアリー号で宇宙に飛び立ちます。
艱難辛苦を乗り越えた先に待っていたものは、果たして・・・。
聴きどころ
高品質なプロットのSFエンターテインメント小説。
スリリングな展開と、友情、努力、責任といった胸アツ要素満載で、ぐいぐい引き込まれます。
物理的考察部分は、サラッと聞き流しても楽しめますよ。
圧倒的な心理描写の小説1選
沈黙(遠藤周作)
あらすじ
キリスト教が迫害されている江戸時代、ポルトガル宣教師ロドリゴは、同僚のガルペと共に日本に密航します。
そこで、ロドリゴが経験する隠れキリシタンの計り知れない苦難。
ロドリゴは日本でどうなるのか。
聴きどころ
映画化もされた遠藤周作の代表作の一つ。
信仰とは、人間の弱さとは、人の尊厳とは、と様々な観点から深く考えさせられます。
時代を経ても引き込まれる筋立てと、卓越した心理描写が光る名作です。
未来に想いを馳せるSF2選
白亜紀往事( 劉 慈欣)
あらすじ
恐竜と蟻は、現代の人類社会と変わらぬ高度な文明を築き、地球を支配していた。
恐竜は思考力、蟻は精確な技術力で補完し合い共存していた。
だが、二つの文明は深刻な対立に陥り、その結果は・・・。
聴きどころ
「三体」で有名な劉 慈欣さんの作品。
人間の愚かさを寓話にしたような話で、ラストまで気が抜けません。
「三体」が難しくて挫折した人にもおすすめ。
虐殺器官(伊藤 計劃)
あらすじ
先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃している近未来。
後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
米軍・特殊部隊所属のシェパード大尉は、 その混乱の陰に常に存在する男、ジョン・ポールのを暗殺指令を受ける。
聴きどころ
エンタメSFに、世界の罪と罰を問いかける深い作品。
著者の伊藤 計劃さんが若くして逝去されたことが悔やまれます。
残酷シーンもあるので、苦手な人は注意要。
ファンタジー2選
鹿男あをによし
あらすじ
二学期限定で奈良の女子高に赴任した「おれ」。
突然、接近してきた鹿から日本を救うための命令を受けて四苦八苦。
生徒の助けを借りつつ、「おれ」は目標に向かって全力疾走。
聴きどころ
テレビドラマ化された作品。
奇想天外なストーリーとユーモアのある筆致に感心しきり。
鹿の王
あらすじ
強大な帝国・東乎瑠(ツオル)から故郷を守るために戦ったヴァンは、奴隷となって岩塩鉱で労働を強いられていました。
ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。
生き延びたヴァンは、幼子・ユナと逃亡します。
壮大な冒険はじまります。
聴きどころ
2015年本屋大賞受賞作品。
謎の病から生き残ったヴァンとユナの行く末や、強大な帝国に立ち向かう人々の物語に引き込まれます。
続きが気になって、1巻から4巻までドンドン聴いてしまうほど面白い。
バイオレンス&ダーク小説5選
暗殺者グレイマン
あらすじ
元CIAで凄腕の暗殺者ジェントリー。
ナイジェリアの大臣を暗殺したため、兄の大統領が復讐を命令。
様々な国の暗殺チームがジェントリーを狙い始め・・・。
聴きどころ
ネットフリックスで配信されている作品。
最初から最後まで、ジェントリーの孤独な戦いが描かれ、ハラハラドキドキ。
バトルアクションが好きな人におすすめ。
イクサガミ(今村祥吾)
あらすじ
明治11年。深夜の京都・天龍寺で292人が大金をつかむためのデスバトルが開始された。
剣客・嵯峨愁二郎は、12歳の少女・双葉を守りながら強敵たちと対峙する。
聴きどころ
京都から東京まで疾風のごとく駆け抜け、息もつかせぬアクションサスペンス。
2024年Netflixでドラマ化決定。
テスカトリポカ(佐藤 究)
あらすじ
メキシコのカルテルに君臨したバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走。
日本で臓器ブローカーと新たな臓器ビジネスを始める。
少年・土方コシモはバルミロと出会い、彼らの犯罪に加担していく・・・。
聴きどころ
第165回直木賞受賞作。
滅亡した王国・アステカの神の呪術的な影と共に、犯罪と暴力が駆け抜ける。
残酷描写が苦手な方にはすすめません。
北の狩人(大沢在昌)
あらすじ
北の国からやって来た謎の男、梶雪人。
彼は12年前に殺された父親の死の真相を探るために新宿を嗅ぎ回ります。
警察、ヤクザ、中国マフィア、台湾マフィアがからんで複雑にもつれた事件。
果たして真相は。
聴きどころ
一言で表すと「聴くハードボイルド映画」。
一気聴きしてしまうスピード感があります。
ナレーションの声分けも上手すぎる。
妖の華(誉田哲也)
あらすじ
池袋で風俗店の店長が獣の牙の跡が残る死体で発見されます。
同じ頃、ヤクザに襲われたヨシキは、妖艶な女性・紅鈴に助けられます。
次々と起こる殺人事件。
はたして紅鈴の正体は?
聴きどころ
警察小説とホラーが組み合わさったダーク小説。
バイオレンスてんこ盛ですが、斬新な設定で引っ張ります。
紅鈴のせつない恋も聴きどころです。
ライトノベル8選
転生したらスライムだった件
あらすじ
現世で刺殺された三上悟が生まれ変わったのは、最弱の魔物スライム・リムル。
天災級のモンスター「暴風竜ヴェルドラ」と出会って、力を得たリムルは、勢力を拡大していきます。
聴きどころ
TVアニメ化もされたシリーズ累計発行部数3000万の大人気作品。
キャラがユニークな仲間と共に勢力拡大。
笑いあり、爽快感ありの超大作。
本好きの下克上
あらすじ
死んだ女子大生が異世界で転生したのは、虚弱体質の6歳の幼女。
紙すら存在しない世界で平民の兵士の娘となった彼女は、本が読みたい気持ちでいっぱい。
「本がないなら作る!」の一心で紙作りから始めます。
聴きどころ
TVアニメ化もされた書籍累計500万超の人気作品。
本格的に面白くなるのは2巻目から。
その後は、転生後の作りこんだ世界と成り上がりにハマることうけあい。
オーバーロード
あらすじ
サービス終了するはずだったゲームが、キャラクターと共に異世界に転生。
ゲームでまとめ役だったモモンガこと鈴木悟は、骸骨の肉体を持つ最強の魔法使いに。
剣と魔法で仲間と周りの国々を征服していきます。
聴きどころ
TVアニメ化もされた書籍累計800万超の人気作品。
男女の声優さんの声の演技に、TVアニメとは違う世界が広がります。
続きが聴きたくて止まらなくなります。
七つの魔剣が支配する
あらすじ
名門キンバリー魔法学校の入学式。オリバーは、腰に日本刀を提げたサムライ少女、ナナオ達6人と友達になる。
しかし、安穏としてはいられない。
キンバリーでは数々の脅威が彼らを待ち受けるのだから。
聴きどころ
「このライトノベルがすごい」2020年1位受賞作品。
ハリー・ポッターを彷彿とさせるものの、もっとダークで情け容赦がない驚きがあり。
TVアニメ化も決定している作品
准教授 高槻彰良の推察
あらすじ
人の嘘がわかる耳を持つ、地味な大学生の深町尚哉。
怪異を愛するイケメン民俗学准教授の高槻彰良。
二人のコンビが怪異現象を解き明かすホラー・ミステリー。
聴きどころ
ドラマ化もされた作品。
軽~く聞き流しながら楽しめます。
女性におすすめ。
アンデッドガール・マーダーファルス
あらすじ
十九世紀末のヨーロッパで、人類親和派の吸血鬼が、銀の杭に貫かれ惨殺。
"怪物事件"専門の探偵・輪堂鴉夜(りんどうあや)と、奇妙な鳥籠を持つ男・真打津軽(しんうちつがる)は事件解決を依頼される。
果たして、犯人は・・・。
聴きどころ
TVアニメ化もされた作品。
設定が奇抜、謎解きも本格的で、面白く聴けます。
登場人物の掛け合いも愉快。
SPY×FAMILY 家族の肖像
あらすじ
人気漫画・アニメの番外編。
フォージャー一家と取り巻き人々が巻き起こす短編4つ。
聴きどころ
アニメ、原作漫画が好きな人にはおすすめできる作品。
アニメの雰囲気が脳裏に浮かびながら、楽しく聴き進められます。
猫とメガネ 蔦屋敷の不可解な遺言
あらすじ
他人の気持ちが想像できない幾ツ谷(いくつや)は、ある日突然、妻から離婚を言い渡されます。
住居を追い出された彼は、シェアハウス「蔦屋敷」(つたやしき)に住むことに。
妻との復縁を目指して頑張る幾ツ谷の運命は・・・。
聴きどころ
物事を論理でしか考えられない主人公と、シェアハウスに住む似た性格の准教授のかけあいが小気味よい。
一癖あるシェアハウスの住人達の悩み事もかかえて、物語は進みます。
安易なハッピーエンドに落ち着かせないストーリーが深みがあって好印象。
女性におすすめ。
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