青空文庫2020年7月のランキングをYoutubeの朗読で!

青空文庫ランキング2020年7月

青空文庫は、著作権が消滅した作品や、著者が許可した作品を無料で提供しているインターネット図書館。
作品数は15,000以上。
日本・海外を代表する文豪の名作の数々を読むことができます。

ここでは、青空文庫2020年7月のアクセスランキングを元に、朗読が聴けるYouTube動画を紹介します

2020年6月のランキングと比較すると、ほぼ同じです。
9位に宮沢賢治「やまなし」がランクインしているのみとなっています。

今回は10位以内の作品と20位以内の作品からいくつかピックアップして紹介します。

では、始めましょう。

青空文庫を朗読で

1位:山月記(中島敦)

あらすじ

主人公は、突出した才能を持ち、プライドの高い主人公の李徴(りちょう)。
妻子を養うために下級役人になりますが、つまらない仕事と、自分より劣った者達が出世をしているのに嫌気がさし、消息を絶ちます。

数年後、李徴(りちょう)の友人の袁傪(えんさん)は、山道で人食い虎に出会います。
その虎の正体は、行方知れずになってしまっていた李徴(りちょう)でした。

感想

李徴(りちょう)はなぜ虎になってしまったのか?
自尊心や羞恥心など、誰もが持つ人間の性質が肥大するとどうなるのか?
挫折して、己を反省し、後悔しても、人の持つ本質は変わらない・・・
大人になってもう一度、この話を聴くと、せつなさや悲しさも十分に伝わってきます。

2位:雨ニモマケズ(宮沢賢治)

感想

「雨にも負けず風にも負けず」で始まる宮沢賢治の代表作。
朴訥とした内容は心に染み入ります。
「こういうものにわたしはなりたい」というラストのフレーズは、静かな決意に満ちています。
テレビ番組「情熱大陸」などのナレーター、窪田等さんの朗読です。

3位:羅生門(芥川龍之介)

あらすじ

時は、天災や疫病で荒廃してしまった平安京。
主人に解雇された一人の男が、羅生門(らしょうもん)にいました。
羅生門は累々と死体が横たわる地獄の有様。
盗賊になろうかと思い悩んでいた男は、一人の老婆と出会います。

感想

飢え死にするか、それとも盗賊になるか。
究極の状況の中で、善と悪が交差する男の心。
人間のエゴと弱さを描きだした短編小説ですが、現代にも通じるものがありそうです。

4位:走れメロス(太宰治)

あらすじ

次々と人々を殺す王がいる町を通りかかった、主人公メロス。
王は人間を信じることができなくなっているのでした。
正義感にあふれるメロスは、王に歯向かい、死罪を宣告されます。
妹の結婚式に出席して、死刑の時刻までに戻ってくると宣言するメロス。
自分の身代わりに、親友のセリヌンティウスを差し出します。
メロスは本当に戻ってこれるのでしょうか?

感想

友情と信頼がテーマの、児童向けの作品であるため、聴きやすくわかりやすい作品です。
メロスが懸命に走る姿と苦悩が、脳裏に自然と浮かびます。
メロスを応援したくなります。

5位:銀河鉄道の夜(宮沢賢治)

あらすじ

父親が漁から戻らず、病気の母親と生活するために、学校後に働くジョバンニ。
彼はケンタウルス祭り(星祭り)の夜、銀河鉄道に乗るという不思議な体験をします。
彼の前の席には、友人のカンパネルラが座っています。
いろいろな人々が乗ったり降りたり。
さあ、二人の旅の結末は?

感想

幻想的な雰囲気を持った作品。
しかしながら、友人とワクワクしながら宇宙を旅する話ではなく、死者とのつながりや本当の幸せがテーマの、物悲しく奥の深い物語。
比喩的描写がわかりにくく、好き嫌いが分かれるかも。

6位:我輩は猫である(夏目漱石)

あらすじ

「吾輩は猫である。名前はまだない。」という有名な一説で始まる名作。
苦沙弥(くしゃみ)先生に拾われて、飼われた猫から見る人間社会を、ユーモアたっぷりに語ります。

感想

猫から人間を客観的に見て綴るという設定は斬新で、くしゃみ先生の友人達も個性派ぞろい。
しかしながら、とにかく長い。長すぎる。
何か事件が起こるわけではないので、最後まで聴くのが辛かった・・・。
ネタがなくなっても、連載のために無理やり書いたのではないか・・・とすら思う個人的感想。

7位:こころ(夏目漱石)

あらすじ

鎌倉で「先生」と呼ぶ男性に出会った主人公。
仕事もせず、本を読んで一日を過ごす先生は、月に一度、友人の墓参りに出かけるのでした。
先生の過去には何があったのか?
そして、先生の未来はどうなるのか?

感想

夏目漱石の数ある作品の中で、人気のある名作の一つがこの「こころ」。
青春時代真っ只中の主人公と、壮年期に入った先生。
「こころ」を持つがゆえに、悩み苦悩する登場人物の描写が秀逸。
朗読で聴くと、全編で10時間以上の長編。

8位:檸檬(梶井基次郎)

あらすじ

不吉な塊に心を押さえつけられていた「私」。
ある日散歩中、お気に入りの果物屋の前を通りかかった私は、鮮やかな檸檬を1つ買います。
気分が少し浮き立った私は「丸善」に立ち寄ります。
積み重ねた本を眺めるうちに「私」はあることを思いつくのでした。

感想

檸檬の鮮やかな黄色が主人公の「私」の陰鬱の気持ちと対照的でインパクトのある作品。
主人公の行動が、まあ意味不明ではあるので、好き嫌いが分かれるかもしれません。
独特の読後感を残す作品。

9位:やまなし(宮沢賢治)

あらすじ

川の底にいるカニの兄弟とお父さんが体験する世界。
魚がカワセミに食べられてしまったり、やまなしがぷかぷか浮いてきたり。
幻想的な雰囲気が漂います。

感想

カニ一家の自然の中での営み。
ほのぼのとするようなくだりあり、食物連鎖で出来ている自然の生態の厳しさもあり。
賢治の深い考えが現れているという説もあり、いろいろな読み方ができる短編です。

10位:蜘蛛の糸(芥川龍之介)

あらすじ

お釈迦様が極楽にある蓮池を覗いて見えたものは、地獄で苦しむ罪人達。
そこで、人を殺したり家を焼いたりと悪行三昧の大泥棒・カンダタを見つけます。
お釈迦様は、カンダタが生前に蜘蛛を助けたという善行を1つだけしたことを思い出されます。
蜘蛛の糸を地獄の底にたらして、カンダタを救おうとされるのでした。

感想

芥川龍之介が児童向けに書いた作品ですが、大人でも興味深く聴けます。
なぜ、お釈迦様が蜘蛛の糸を使ってカンダタを助けようとしたのかなど、仏教の考え方が作品に込められているので、聴いた後に解説サイトを読むと二重に楽しめます。

15位:人間失格(太宰治)

あらすじ

本当の自分をさらけだせずに、おどけることでしか人とつきあえない主人公。
酒と薬と女性に溺れる自堕落な人生を送っています。
「恥の多い生涯を送ってきました」で始まる太宰治の代表作。

感想

ダメ男の愉快でない物語なのに、どうなるんだろうと先が気になります。
太宰治の筆の力を感じます。

16位:方丈記(鴨長明)

あらすじ

「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」で始まる随筆。
平氏の治世、源氏の台頭という政治不安の世。
地震、飢饉、大火などの厄災と方丈庵での生活が綴られます。

感想

「枕草紙」「徒然草」と共に日本3大随筆の1つ。
現代でも起こる数々の災害。
人事とは思えまず、思わず聴き入ってしまいます。

23位:高瀬舟(森鴎外)

あらすじ

同心・羽田庄兵衛は、喜助という罪人の付き添いを命じられます。
罪人を遠島にする舟の道中で、庄兵衛は、喜助に罪のいきさつを訊ねます。
喜助は、病気に苦しむ弟が自殺する手助けしたのでした。

感想

現代でも起こる介護の末の殺人。
ささやかな幸せを喜び、朝から晩まで労働に励む善人の喜助の自殺幇助は、罪に値するのか?
考えさせられます。

まとめ

青空文庫2020年7月のランキングはこちらから見れます。

1位~10位までは異動がほぼなく、固定されている印象です。
定番だということでしょうか。

11位以降も是非聴いてみて下さい。

 

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