青空文庫2020年10月のランキングをYoutubeの朗読で!

青空文庫ランキング2020年10月

青空文庫は、著作権が消滅した作品や、著者が許可した作品を無料で提供しているインターネット図書館。
作品数は15,000以上。
日本・海外を代表する文豪の名作の数々を読むことができます。

ここでは、青空文庫2020年10月のアクセスランキングを元に、朗読が聴けるYouTube動画を紹介します

10月のランキングを2020年9月のランキングと比較してみます。
1位から9位までは、若干の順位の変動はあるものの、9月のランキングとほぼ同じ。

10位に夏目漱石・「草枕」がランクインしています。
「草枕」は、「智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情(じょう)に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈(きゅうくつ)だ。とかくに人の世は住みにくい。」という冒頭の一節が有名な小説です。

ランキングを作家の名前から見ると、10位以内に宮沢賢治作品3つ、夏目漱石作品4つが入っていることがわかります。
宮沢賢治と夏目漱石の人気は不動ですね。

では、10位以内の作品と30位以内の作品からいくつかピックアップして紹介します。

青空文庫を朗読で

1位:雨ニモマケズ(宮沢賢治)

感想

「雨にも負けず風にも負けず」で始まる宮沢賢治の代表作。
朴訥とした内容は心に染み入ります。
「こういうものにわたしはなりたい」というラストのフレーズは、静かな決意に満ちています。
テレビ番組「情熱大陸」などのナレーター、窪田等さんの朗読です。

2位:山月記(中島敦)

あらすじ

主人公は、突出した才能を持ち、プライドの高い主人公の李徴(りちょう)。
妻子を養うために下級役人になりますが、つまらない仕事と、自分より劣った者達が出世をしているのに嫌気がさし、消息を絶ちます。

数年後、李徴(りちょう)の友人の袁傪(えんさん)は、山道で人食い虎に出会います。
その虎の正体は、行方知れずになってしまっていた李徴(りちょう)でした。

感想

李徴(りちょう)はなぜ虎になってしまったのか?
自尊心や羞恥心など、誰もが持つ人間の性質が肥大するとどうなるのか?
挫折して、己を反省し、後悔しても、人の持つ本質は変わらない・・・
大人になってもう一度、この話を聴くと、せつなさや悲しさも十分に伝わってきます。

3位:羅生門(芥川龍之介)

あらすじ

時は、天災や疫病で荒廃してしまった平安京。
主人に解雇された一人の男が、羅生門(らしょうもん)にいました。
羅生門は累々と死体が横たわる地獄の有様。
盗賊になろうかと思い悩んでいた男は、一人の老婆と出会います。

感想

飢え死にするか、それとも盗賊になるか。
究極の状況の中で、善と悪が交差する男の心。
人間のエゴと弱さを描きだした短編小説ですが、現代にも通じるものがありそうです。

4位:走れメロス(太宰治)

あらすじ

次々と人々を殺す王がいる町を通りかかった、主人公メロス。
王は人間を信じることができなくなっているのでした。
正義感にあふれるメロスは、王に歯向かい、死罪を宣告されます。
妹の結婚式に出席して、死刑の時刻までに戻ってくると宣言するメロス。
自分の身代わりに、親友のセリヌンティウスを差し出します。
メロスは本当に戻ってこれるのでしょうか?

感想

友情と信頼がテーマの、児童向けの作品であるため、聴きやすくわかりやすい作品です。
メロスが懸命に走る姿と苦悩が、脳裏に自然と浮かびます。
メロスを応援したくなります。

5位:こころ(夏目漱石)

あらすじ

鎌倉で「先生」と呼ぶ男性に出会った主人公。
仕事もせず、本を読んで一日を過ごす先生は、月に一度、友人の墓参りに出かけるのでした。
先生の過去には何があったのか?
そして、先生の未来はどうなるのか?

感想

夏目漱石の数ある作品の中で、人気のある名作の一つがこの「こころ」。
青春時代真っ只中の主人公と、壮年期に入った先生。
「こころ」を持つがゆえに、悩み苦悩する登場人物の描写が秀逸。
朗読で聴くと、全編で10時間以上の長編。

6位:我輩は猫である(夏目漱石)

あらすじ

「吾輩は猫である。名前はまだない。」という有名な一説で始まる名作。
苦沙弥(くしゃみ)先生に拾われて、飼われた猫から見る人間社会を、ユーモアたっぷりに語ります。

感想

猫から人間を客観的に見て綴るという設定は斬新で、くしゃみ先生の友人達も個性派ぞろい。
しかしながら、とにかく長い。長すぎる。
何か事件が起こるわけではないので、最後まで聴くのが辛かった・・・。
ネタがなくなっても、連載のために無理やり書いたのではないか・・・とすら思う個人的感想。

7位:夢十夜(夏目漱石)

あらすじ

「こんな夢を見た」で始まる、夢と現実を行き来する10話の短編オムニバス。
それぞれの話につながりはありません。
幻想的な世界が広がります。

感想

10話の短編は、比較的わかりやすい話もあれば、何が言いたかったのだろうと考えてしまう話もあります。
戒めや皮肉、悲しさも込められていて、奥の深い、不思議な空間に漂う物語を楽しめます。

8位:銀河鉄道の夜(宮沢賢治)

あらすじ

父親が漁から戻らず、病気の母親と生活するために、学校後に働くジョバンニ。
彼はケンタウルス祭り(星祭り)の夜、銀河鉄道に乗るという不思議な体験をします。
彼の前の席には、友人のカンパネルラが座っています。
いろいろな人々が乗ったり降りたり。
さあ、二人の旅の結末は?

感想

幻想的な雰囲気を持った作品。
しかしながら、友人とワクワクしながら宇宙を旅する話ではなく、死者とのつながりや本当の幸せがテーマの、物悲しく奥の深い物語。
比喩的描写がわかりにくく、好き嫌いが分かれるかも。

9位:やまなし(宮沢賢治)

あらすじ

川の底にいるカニの兄弟とお父さんが体験する世界。
魚がカワセミに食べられてしまったり、やまなしがぷかぷか浮いてきたり。
幻想的な雰囲気が漂います。

感想

カニ一家の自然の中での営み。
ほのぼのとするようなくだりあり、食物連鎖で出来ている自然の生態の厳しさもあり。
賢治の深い考えが現れているという説もあり、いろいろな読み方ができる短編です。

10位:草枕(夏目漱石)

あらすじ

30歳で画家の「余」は、自然に恵まれた温泉地・那古井の「志保田屋」という宿屋に逗留します。
そこで出会った旅館の娘・那美。
那美は資産家の息子との結婚生活が破綻して、実家に戻ってきていました。
那美は、「余」に自分の絵を描いてほしいと頼むのでした。

感想

「智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情(じょう)に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈(きゅうくつ)だ。とかくに人の世は住みにくい。」という冒頭の一節が有名な「草枕」。
引き込まれるストーリーがあるわけではなく、漱石の芸術感を独特の文体で記載している部分が多いので退屈してしまうかも。
情景がまざまざと浮かぶ漱石の優れた描写力は堪能できます。

18位:おじいさんのランプ(新見南吉)

あらすじ

13歳で孤児の巳之助は、ろうそくの灯りで暮らす村に住んでいました。
ある日、町にいった巳之助は、輝く明るいランプに感動。
駄賃の十五銭でランプを1つ買います。
その1つのランプを売ることに成功した巳之助。
己の商才を発揮し、次々にランプを売って、一財産を築きます。

数年の時を経たある日、巳之助は町で電気の灯りを見るのでした。

感想

無一文から自身の才覚で財を成した子供の巳之助。
大人になって、築いた生活基盤を脅かすものと出会った時にどうするか。
現代にも通じる奥の深い話。
子供向けストーリーのようで、大人も考えさせられます。

19位:よだかの星(宮沢賢治)

あらすじ

よだかは醜い鳥で、鳥達からも嫌われていました。
ある日、よだかは、鷹に「市蔵」と名前を変更し、鳥達に告げてまわるように命令されます。
いじめられ続けるよだかは、地上の世界に生きることをやめ、空の星になることを望むのでした。

感想

容貌の劣る鳥を大勢でのけものにするさまは、いじめそのもの。
地上を捨て、必死に星になろうとするよだか。
哀しさに胸を打たれます。

22位:千恵子抄(高村光太郎)

あらすじ

詩人で、彫刻家の高村光太郎が妻・千恵子への愛を綴った詩集。
千恵子と結婚する前(1911年)から千恵子の死後(1941年)の30年間にわたって書かれた詩29篇、短歌6首、3篇の散文が収録。

感想

千恵子への想いが切々と紡がれてせつない。
短い言葉全体から妻への愛情が溢れています。

まとめ

青空文庫2020年10月のランキングはこちらから見れます。

1位~10位までは異動がほぼなく、常連の詩や小説で固定されていますね。
11位以降も是非聴いてみて下さい。

 

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