
集英社では夏に読みたい本を揃えたフェア「ナツイチ2020」を開催しています。
この中で、人気声優さんが小説の前半を朗読、後半も聴きたかったら本を買ってね。という企画「よまにゃチャンネル」を実施しています。
声優さんは、斉藤壮馬さん、伊東健人さん、江口拓さん、高橋李依さんの4人。
ナツイチ対象文庫の中から、一人2冊づつ、短編小説の前半を読んでいます。
朗読は集英社のサイトとYouTubeで聴けます。
ここでは、ナツイチ2020の朗読小説について書きます。
目次
集英社ナツイチとは
集英社ナツイチとは、夏に読みたいおすすめの本を紹介するフェアで毎年実施。
2020年は、『ぼくらを強くする言葉たち』というキャッチコピーで82冊が対象。
斉藤壮馬さん、伊東健人さん、江口拓さん、高橋李依さんの4人の声優さんが、一人2冊づつ小説の前編を朗読する「よまにゃチャンネル」も公開。
その他、実店舗で購入すると、限定ブックバンドやよまにゃカバーがもらえます。
公式サイトはこちら。
朗読の聴き方
小説前半の聴き方
集英社のよまにゃチャンネルページか、YouTubeのよまにゃチャンネルで聴けます。
小説後半の聴き方
声優さんの写真のついた帯が巻いてある本を購入します。
QRコードがついているので、読み込みます。
注意!ネット書店で買うと、QRコードのついた帯がついていないこともあるようなので、朗読が聴きたい場合は実店舗で購入した方がよさそうです。
朗読小説
海の見える理髪店/萩原浩
あらすじ
海の見える理髪店に予約をとって髪を切ってもらう青年。
理髪店のオーナーは、過去に俳優や財界人が整髪してもらっていた男性。
青年のカットをしながら、オーナーは自分の半生を語り始めます。
彼の過去に何があったのか?
彼は何故、自分の過去を語り始めたのでしょうか。
聴きどころ
ベストセラー作家・萩原浩の第155回直木賞受賞作。
静かな海が鏡に映る理髪店が舞台。
聴いているだけで脳裏に海と理髪店の綺麗な情景が浮かびます。
オーナーの過去に何があったのかも気になる物語です。
そ・ふぁー/乙一
あらすじ
列車事故にあった家族。
父親と母親は互いの存在を確認することができなくなり、男の子とだけ話すことができるようになっています。
男の子は二人の仲介役となって生活する不思議な生活を送っていました。
母親の生きている世界と父親が生きている世界、そのはざまにいる男の子。
いったい、この家族に何が起こったのでしょうか。
聴きどころ
乙一の『ZOO1』内の短編。
現実感のない不思議な世界。
男の子と家族がこれからどうなるのか、本当は生きているのか気になります。
文字盤/長岡弘樹
あらすじ
コンビニ強盗を捜査する刑事・寺島。
防犯カメラをチェックした寺島は犯人の行動に違和感を感じます。
更に、警察内部での不正裏金事件。
内部告発はしないと寺島の元同僚は言うのだが・・・
聴きどころ
長岡弘樹『血縁』の中の1つ。
短編ミステリーの名手・長岡弘樹の作品。
寺島刑事と元同僚との友情がからむ人間ドラマも魅力です。
混線/宮部みゆき
あらすじ
夜中にしつこくかけてくるイタズラ電話。
兄は妹の代わりに電話にでます。
兄は電話相手に知り合いのイタズラ電話魔の話を始めるのでした。
聴きどころ
宮部みゆき『地下街の雨』内の短編。
物語の前半だけだとはっきりと判明しませんが、ホラー小説のような印象。
後半にかけて、じわりじわりと怖くなってくるのでしょうか。
残り全部バケーション/伊坂幸太郎
あらすじ
当たり屋や恐喝といった裏稼業で生計をたてている岡田。
仕事を辞めたいと上司の溝口に打ち明けます。
溝口が出した条件は、見知らぬ人にメールを送り、相手と友達になること。
岡田の出したメールは、とある離婚間近の父親に届くのでした。
聴きどころ
伊坂幸太郎『残り全部バケーション』内の短編。
伊坂幸太郎は物語中に伏線を張り巡らして、ラストに全て回収していくパターンが多いので、この小説もそうなのでしょうか?
どんな筋書きになるのか予想もつかないですね。
江口さんの朗読は棒読み風でした。
わざとでしょうか?(笑)
脂肪遊戯/桜庭一樹
あらすじ
田舎町で向かいに暮らす二人の中学生。
お兄ちゃんと呼ばれる虚弱な矢井田賢一と、巨漢の田中紗沙羅(さしゃら)。
夜の電話口でいつもむしゃむしゃと何かを食べている紗沙羅。
醜さを求める紗沙羅に隠された本心とは?
聴きどころ
桜庭一樹『じごくゆきっ』内の短編。
ハッピーエンドとはいかないようなストーリー展開。
桜庭一樹の世界が広がります。
意識のリボン/綿矢りさ
あらすじ
母親を亡くした主人公は、「絶対に長生きするからね」と父に誓ったのに、交通事故に遭ってしまいます。
目を開けると二メートルほど下に自分の身体を見下ろしている主人公。
臨死体験の中で主人公はいろいろと気づいていきます。
聴きどころ
綿矢りさ『意識のリボン』内の短編
前半だけだと話の展開が見えない物語です。
純文学的な比喩や描写が特徴的。
死にたいノート/相沢沙呼
あらすじ
「死にたい」という言葉をノートに書き連ねる女子中学生・藤崎。
うかつにも落としてしまったそのノートを同級生・河田に拾われてしまいます。
河田に「ノートの持ち主を探そう」と提案された主人公は・・・。
聴きどころ
相沢沙呼『雨の降る日は学校に行かない』内の短編
架空の「死にたいノート」を書き続ける主人公。
声優の高橋李依さんの朗読は、そんな主人公の気持ちを代弁するかのようです。
感想
どの本も楽しく聴くことができました。
内容がわかるので、小説を購入するときの手助けとなります。
普段読まないような本でも、途中まで聴くと、続きが気になって買ってしまいそうです。
いい企画だと思います。
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